被災地支援センター
JDF能登半島地震支援センター連絡会議(第8回)
日時 2025年3月26日(木)午後2時~3時
オンライン開催
1.センターの活動報告
・行政の発表や報道によれば、奥能登の人口約5万人のうち約1割が減少したとのことである。高齢化率も高く、地震の直接死より関連死のほうが多い。公費解体の進捗は約5割である。豪雨災害については今も避難者がいるが、仮設住宅は月内に完成する予定である。
・そのような中で、支援活動で関わっている障害者支援事業所の利用者の方からアンケートをとった。家や道路が壊れて困った、水が出ないで困った、風呂トイレが困った、避難生活が長かった、被災中に食料や服をもらったのがうれしかった、支援者の存在はうれしい、散歩や買い物に行くのが大変、今後の住居が心配、二度と地震はいや、などの回答があった。
・センターの個別支援は、これまで80名に行い、うち24名が継続中である。通院等の移動支援が13件あり、これらのニーズは継続するので、車が足りずに日程変更をお願いすることもある。公費解体前の自宅の片付けの希望も続いていて、金沢市や白山市で暮らしている方が、輪島市内の自宅を片付けるという例もある。県内の連携団体と協力しながら支援している。
・障害者支援事業所では、職員の退職などによる人員不足が続いている。JDFでは4か所で継続的に現場の支援を行っている。奥能登地域自立支援協議会輪島市連絡会へのオブザーバー参加も続けていて、会議開催にかかる実務作業も支援してきたが、4月からは地元の事業所にその作業は引き継ぐこととなった。
・昨年12月に、支援センターとして県障害保健福祉課との懇談を行ったが、次回は6月に予定している。それに向けて、支援活動で関わった方へのアンケートも計画している。
・支援センターでは現在の体制での支援を9月末まで行うこととしている。支援の要請がまだまだ続く中で、どのように現在の取り組みを地域の方に引き継いで行くのかが課題である。
・支援スタッフとして活動した人からの発言があった。――復興途上にある奥能登での風景や言葉は忘れがたい。9月の奥能登豪雨で心が折れたという言葉も忘れられない。JDFの支援スタッフはそれぞれ専門的なバックグラウンドを持ち、支援センターの活動をゼロからスタートさせた。その活動は多くの人に認識されているが、支援を必要とする人はまだ多く、どのように届けていくかが課題だ。また支援活動への参加を希望する人にどう情報を届けるかも課題だ。震災で浮き彫りになった課題を今後の提言などにつなげてほしい。
2.県内各団体・関係団体からの情報など
・和倉温泉の被災によりマッサージの仕事を失った視覚障害者の支援として、1月末から県の地域コミュニティ再建事業に参加したことは前回も報告したが、これまで延べ6回出張マッサージを派遣している。公民館や集会所などに、ニーズがあれば出張マッサージを派遣できることをPR願いたい。また、和倉温泉の総湯でもマッサージを行っており、近隣地域の方に留まらず、外部から来られた方はぜひ利用願いたい。
・能登では復旧復興の段階に移っているが、障害者支援事業所では職員も利用者も転出する人が多く、運営が困難となっている。自宅の再建にあたっては、建築費が上がっており、さらに大工の数が少なく遠方から招けば宿泊費もかかる(宿泊施設も不足している)。補助はあっても大きな額が必要であり、これが元の地域で暮らすことの障壁となっている。
3.意見交換
(1)災害救助法等の改正について(情報共有)
・JDF事務局より、災害対策基本法等の改正に関して提出した「災害時の障害者等の支援に関する要望(2025年2月27日)」について報告があり、併せて、現在国会に提出されている法案の内容について情報共有が行われた。
(2)当面の活動、その他、次回日程の確認等
・先ほど紹介された能登の当事者のみなさんのアンケートは心に残った。災害は他地域でも頻発しており能登への関心が薄れていくようだ。特に障害のある人の声がなかなか届かない。これからもできることをやっていきたい。
・災害時には要配慮者など弱い立場にある人が必要な支援やサービスを受けられないことが多い。公平に支援が届くような仕組みが必要ではないか。
(まとめ JDF事務局)
参加団体(順不同)
(石川県団体)
石川県身体障害者団体連合会
石川県視覚障害者協会
石川県聴覚障害者協会
石川県手をつなぐ育成会
(JDF構成団体等)
日本身体障害者団体連合会
日本視覚障害者団体連合
全日本ろうあ連盟
日本障害者協議会/きょうされん
全国手をつなぐ育成会連合会
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
日本障害者リハビリテーション協会
(関係団体より)
ゆめ風基金
難民を助ける会 AAR Japan
ヤマト福祉財団