被災地支援センター
JDF能登半島地震支援センター連絡会議(第7回)
日時 2025年2月13日(木)午後2時~3時
オンライン開催
1.センターの活動報告
・能登支援センターでは、奥能登地域自立支援協議会輪島市連絡会に参加し、文書作成・まとめなど実務面でも協力している。本日の午前中にも参加したが、支援事業所や、障害のある本人・家族の実情として、「地震から1年経ち、ようやく事業所のトイレ修理の予定が立った」、「被災した職員が遠方に避難し、事業所のシフトが組めない」、「自宅が豪雨災害で土砂の被害を受けたが、行政やNGOの支援で夏にはようやく元の自宅に住める」「グループホームから週末ごとに帰宅していた自宅が地震で全壊し、公費解体を勧められているが、解体したくない思いがある中で、申請期限が迫っている」といったことが話されていた。
・センターでは、これまで75件の個別支援を行い、継続・見守り中が18件である。移動支援が多く、通院が11件(七尾市、輪島市、穴水町、能登町)、事業所への送迎が3件(輪島市、穴水町、能登町)といった状況だ。通院は止められないので、今後どう地元の支援に引き継いでいけるかがポイントだ。
・事業所支援は、あすなろふたばぱいんの会(輪島市)、一互一笑(輪島市)、やなぎだハウス(能登町)、ゆうの丘(七尾市)で継続的に行っている。いずれも人手不足の状況があり、人員を派遣しての現場支援を行っている。
・毎クール(週)6人の体制で支援を行っているが、3月末以降はまだ支援スタッフが足りていない。支援要請はむしろ増えている状況であり、引き続きスタッフの派遣を呼びかけている。
・支援センターは現在の体制での支援を9月まで継続する。10月以降の支援のあり方については、6月を目処に判断することとしている。
質問 公費解体については多くの課題を聞く。その方の今後の見通しはいかがか。
回答 ご本人とよく話しながら、建築の専門家の助言も受け、例えば一部のみ解体するなどの方法も探りながら、丁寧に進めていく必要があろう。公費解体の進捗状況は、1月末時点で4割ほどと発表されており、市町によっても進捗は異なる。解体に関わる課題はまだ続くであろう。
2.県内各団体・関係団体からの情報など
・公費解体に関しては、団体の会員の間でも、豪雨災害の影響もあり進捗が遅れている。住宅本体以外に納屋や付属の建物もあり、最終的な解体までにはなお時間がかかるであろう。
・石川県視覚障害者協会等では、和倉温泉の被災によりマッサージの仕事を失った視覚障害者の支援として、県の地域コミュニティ再建事業に出張マッサージの追加を申請し、認められた。先日、これにより3名のマッサージ師が施術を行った。今後も継続していく。
・9月の豪雨災害で床上浸水の被害にあったやなぎだハウスは、床の工事などが必要であるが、対応できる業者が足りず、聴覚障害者災害救援中央本部と共に交渉を行っている。今は雪の影響もあり、春先までかかるのではないかと懸念している。
3.意見交換
(1)災害救助法等の改正について
・JDF事務局より、災害救助法等の改正に向けた要望の試案が示され、次のような意見が出された。
- 被災障害者の訪問支援に障害者団体等の参加を求める要望は歓迎したい。
- 要配慮者という言い方は誰を含むのか範囲が分かりづらく、もっと障害者に焦点を当ててはどうか。
- 広域避難をしている方にも支援が届くように求めてはどうか。他地域の自治体との連携などについては、一つの自治体だけでは実現できず、国が積極的に進めてほしい。
- 在宅や車中泊している人のニーズをどう把握するのか、具体的な対策が必要だ。避難対応等のシミュレーションや訓練も日頃から求められる。
(2)当面の活動、その他、次回日程の確認等
・ゆめ風基金では豪雨見舞金による支援を、AARやJDFの協力も得て約160件行っている。今後とも連携したい。
・AARでは、家屋の応急処置、在宅被災者へのアウトリーチの取り組みも行っており、今後とも情報を共有したい。
・「ノーマライゼーションプラン⾦沢 市⺠フォーラム」が3月2日に開かれ、「⾝近で災害が起こったらどうする」をテーマに、避難行動要支援者名簿、個別避難計画に関する事柄が話し合われるとの情報提供があった。
(まとめ JDF事務局)
参加団体(順不同)
(石川県団体)
石川県身体障害者団体連合会
石川県視覚障害者協会
石川県聴覚障害者協会
石川県手をつなぐ育成会
きょうされん石川支部
地域支援センターポレポレ(ゆめ風ネット加賀)
(JDF構成団体等)
日本視覚障害者団体連合
全日本ろうあ連盟
日本障害者協議会/きょうされん
全国手をつなぐ育成会連合会
全国脊髄損傷者連合会
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
全国社会福祉協議会
日本障害者リハビリテーション協会
(関係団体より)
ゆめ風基金
難民を助ける会 AAR Japan
ヤマト福祉財団