被災障害者を支援する為の情報を掲載。

JDF災害総合支援本部

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被災地支援センター

JDFみやぎ支援センター仮設住宅訪問の支援内容及び概略

1.支援内容

 未曾有の大震災によって、障害を抱える方々の死亡率が一般の2倍以上になったことは報道の通りである。 なぜ障害を抱える方々の死亡率がこんなに高くなったのか、どうしたら防ぐことができたのか、関心の高いところである。 二度と同じ状況に陥らないためにどうしたらいいか、今後も検証していく必要がある。 そのために我々ができることは何か!?仮設住宅で生活している障害者から「どのようにして助かったのか」をヒアリングし、 今後起こりうる大地震に備えた対策に少しでもお役に立てるよう考えていきたい。 また、仮設を訪問する中で、未だ困った生活を強いられている障害者は少なくない。 例えば、仮設住宅が建った当時、手すりの設置は必要ないと市町に伝えたが、生活してきた中で必要性を感じてきた。 時間が経ってから設置をお願いしたが、自分で設置して欲しいと言われた。 インターフォンが鳴っても、身体に障害があるため、玄関先まで行くのに時間がかかり来客者が帰ってしまった。 他にもあるが、これらの困りごとに対して、できる範囲内で物資の提供という形で支援を行う。 物資の提供以外でも、一人暮らしの孤独な生活が続いている中、 “誰かと話がしたい・誰かと繋がっていたい”と感じている方々に対し、 丁寧にお話を聴いて、必要に応じて専門機関に繋げていく活動も行う。

 以上、我々が行っている支援内容である。まだ仮設訪問は道半ばで、 今後も引き続き障害を抱える方々とお会いし、少しでもお役に立てる支援をしていきたい。

※主に仮設住宅を訪問しているのは、仮設以外のどこのお宅に障害者が住んでいるのかがわからないためである。
問い合わせがあれば、ご自宅に伺って必要な支援を行う。

2.概略

H24年9月~H26年11月

・訪問した仮設住宅の数 143ヵ所

※不在での再訪問や支援物資でのやり取りで何度か同じ仮設住宅に再訪問した数は入れていない。
(気仙沼市・南三陸町・石巻市・女川町・東松島市・仙台市・名取市・岩沼市・亘理町・山元町)

・障害を抱える方と出会えた数(手帳を保持していない方2名含む)57名 ・物資提供した方の数 18名
・物資支援したもの(手すり・杖・バスマット・介護用折りたたみベット・マットカバー、 座椅子・ソファー・体温計・液晶TV・インターフォン・光るチャイム・畳 など)
・訪問した自治体(気仙沼市・南三陸町・石巻市・女川町・東松島市・塩竈市・ 七ヶ浜町・仙台市・名取市・岩沼市・亘理町・山元町)

平成26年度JDF宮城訪問活動記録(8月-11月)

支援&活動場所 活動内容 課題・特徴 コメント
仙台市O仮設住宅 身体障害者
(男性)宅訪問
支援物資提供(歩行車) 若林区から保健師2名が訪問中で、近況を話していた。 11月、復興住宅の申し込み予定。
身体障害者
(男性)宅訪問
支援物資(ソファー)を届けた。 右半身マヒのため肘掛なしのソファーの要望あり、該当品を部屋に設置した。 復興住宅の申込書の記入ができずにいたので代筆、郵送も代行した。 今までは座椅子しかなかったので、立ち上がりが楽になった、 文化的生活が送れると喜んでいただいた。
身体障害者
(男性)宅訪問
支援物資(ベッド)を届けた。 震災時、やかんの熱湯を両足にかぶりケロイドができている。 現在入院中だが、退院後すぐに使えるようベッドを設置してきた。  
身体障害者
(女性)宅訪問
支援物資(歩行車)を届けた。 骨粗鬆が進み、O脚になってきている。 転ばないよう気を付けるよう主治医から注意されている。 荷物も運べ、座って休むこともできると喜んでいただいた。
身体障害者
(男性)宅訪問
復興住宅の優先枠で応募しているが、結果が届いたか確認した。 まだ連絡はないとのこと。 部屋でTVを観ていた。体を動かす練習をするよう声掛けした。
岩沼市S仮設住宅 視覚障害者
(男性)宅訪問
福島県双葉郡富岡町で被災。 いわき市Y中学校体育館~郡山市~新潟県上越市で避難生活を送った。 息子が住んでいたので岩沼市の仮設に入った。 網膜色素変性症(進行性)のため視力低下、視野狭窄が進んでいる。 夫婦2人暮らしだが、孫が遊びに来る。 以前は個人でマッサージ師をしていたが、 2012.9柴田町に会社を立ち上げ息子とともに働いている。 仮設は狭く歩くときにぶつかるので、 最低限のものしか置けない。寒い。岩沼市内の復興住宅に入居予定。 読売新聞東京本社東北総局 記者O氏 同行。 復興住宅が完成したら、引っ越しする。 今後も連絡を取り、支援が必要な場合は手配する。
女川町 保健センター PSW訪問 宮城県サポートセンター支援事務所より情報提供があった男性の件。 知的・精神重複障がい者。面倒をみていた母親が震災前に死亡し、 震災後単身にて仮設住宅入居以降、問題行動が発覚。 災害公営住宅入居後も変わらず、住民からの相談があり支援していたが、 11月初旬、心臓疾患にて死亡。 住民との調整を図り支援していたが、本人死亡により終結。 他にも協力できることがあれば今後も連携していく旨伝える。
女川町 D仮設住宅 身体障害者
(男性)宅訪問
以前、膝サポーターを支援している。独居。 状態は今もも変わっておらず、医療センターに通所している。 サポーターが劣化してきているとのこと。
女川町 A仮設住宅 聴覚障害者
(男性)宅訪問
外出中。以前、光るチャイムを支援している。 次回、再訪問。


参考資料:JDF宮城 活動概要(広報チラシより)


日本障害フォーラム宮城(JDF宮城)
被災障害者総合支援本部 みやぎ支援センター

 2011年3月23日、日本障害フォーラムの呼びかけにより 被災障がい者支援活動を行うため、宮城県内の関係機関が集結して 「被災障害者を支援するみやぎの会」を設立、 全国からの応援を受けながら「JDFみやぎ支援センター」を開所し、 震災後の緊急的支援活動を行いました。
2012年3月9日、「みやぎの会」を「JDF宮城」と発展解消し、 「JDFみやぎ支援センター」の支援活動を継続しています。

JDF宮城の支援活動

  • 被災障がい者の現況と被災当時の実態把握 障がい者の死亡率は健常者の2倍といわれています。 今後の備えのためにもヒアリング調査を通して情報収集し、 実態の把握と検証に努めます。
  • 被災障がい者へのニーズ調査と物資支援 未だ仮設住宅や応急仮設住宅での窮屈な生活を余儀なく されている現状を改善するために、ニーズの確認とともに 必要な物資支援を行います。
  • 被災地における情報交換会や研修会等への 参加と課題解決 支援活動を行っている各団体やサポートセンターとの連携を 図り、課題を共有しながら支援します。 JDF宮城の協力団体からの講師派遣も行います。

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