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JDF東日本大震災被災障害者総合支援本部

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被災地支援センター

第1次避難所訪問調査報告
JDF被災地障がい者支援センター ふくしま

2011年4月22日

 2011年3月11日、観測史上最大の地震・津波の大災害をうけ、福島県さらに日本では経験したこともない原発事故による深刻な放射能問題が加わり、未曽有の危機的な状況をむかえました。
4月6日、全国の支援のもと、福島県の障害関係団体が集まり、福島県内の被災した障がい者・関係者への支援を目的に「JDF被災地障がい者支援センターふくしま」を設立しました。
このセンターの最初の活動として、この大災害による被害状況やニーズをきちんとひろい上げていく事を目的に第1次避難所訪問調査活動を展開しました。
200か所近くの避難所訪問調査を全国のJDFの応援ももらいながら、2週間の短期間で行ないました。しかし、私たちが考えた以上に避難所で生活している障がい者が少ない状況にありました。
一方で、1か月経過した避難所での障がい者の生活実態やニーズが、いろんな内容でうかびあがりました。命に直接かかわる問題から生活の中身にかかわる問題や、多くの方たちの精神的な問題など、様々な問題が浮かび上がってきています。
また、すでに避難所は第2次避難所として、旅館・ホテルに移り住んでられ、避難所の継続的使用の問題や集団生活の問題など、3次、4次の避難所に移らざるをえない人、避難所では生活が難しく、やむを得なく民間アパートを借りた人など、新たな生活に移りつつも生活上の問題が見えづらくなってきています。
今回、第一次避難所訪問調査活動の内容をまとめ、今、手を打つべきこと、時間の経過とともに手を打つべきこと、これから考えていくべきことなどを検討するにあたって、何らかの示唆を提供することを目的にこの報告書を作成しました。
ただ、これは実態やニーズ把握の入り口であって、まだまだ多くの障がい者の生活上の困難さやニーズは顕在化していません。様々な形で実態を明らかにし、ニーズを拾い出していくことを私たちの取り組みの柱とします。

福島県第1次避難所調査の目的

○福島県内の第一次避難所を直接訪問し、障がい者の避難状況、そこでの生活状況をつかみ実態を明らかにする。
○さらに障がい者・家族のニーズをつかみ、緊急かつ専門性がいるものは、支援センターにつなぎ、物資支援などセンターで対応できるものは、対応する。
○生活実態・ニーズを整理する中で市町村・県・国で対応すべき問題は、要望活動につなげていく。

調査範囲
 第1次避難地域の学校・公民館などの公共施設

調査期間
4月5日~18日

調査方法
 1チーム2,3人で各避難所をまわり、責任者・行政関係者・障がい当事者・家族などから直接話を聞く。

調査した内容
避難所に障がい者がいるか。どういう状況で生活状況か。そこで困っていること、ニーズ

福島県被災者第一次避難地域訪問調査活動報告 2011.4.22
被災地障がい者支援センターふくしま

    チーム数 参加者 訪問 件数 避難所 社会福祉事業所 行政 面談 人数





4月5日 7 4 10 19     7 7
4月6日 6 13 6 7     6 6
4月7日 5 21 21 11     8 18
4月8日 5 18 26 21 1 4 12 13
4月9日 5 18 25 23   2 7 17
4月10日 2 17 6   6   3 3
4月11日 7 15 28 27   1 4 10
4月12日 4 17 14 11 3   10 10
4月13日 3 10 15 15     3 3
4月14日 4 17 16 14 2   14 14
4月15日 4 10 17 14   3 3 3
4月16日 2 4 9 9     5 5
4月17日 3 6 10 9 1   3 3
57 170 203 180 13 10 85 112

*4月6日時点避難所238か所 4月14日時点203か所 4月22日時点173か所

避難所での障がい者・家族からの声・ニーズ

【障がい者・家族はどこに避難したのか】
○ 避難所をまわっていてまず最初に気付いたのが、障がい者の方々が少ないということです。大災害後に今まで住んできた住居に何らかの理由で住むことが難しくなり、避難所に駆け込んでいったことを考えると障がい者も多くは、避難所に移っていると考えていました。しかし、実際は違いました。
○ 最初から避難所にいかなかった人、転居した人、1か月たつ中で、避難所から離れて生活をかわった人などがいます。被災者の避難所以外の居住場所として、想定できるのは①親戚等の身内②避難すべき自宅③アパート・民家を借りる④福祉資源⑤県外⑥その他等です。
では、どうして避難所に生活しなかったのかと考えてみますと ア.避難所の住環境の厳しさ(階段が多く、トイレなどの使いづらいことなど)イ.大集団の困難さ(プライバシーが確保されないこと)ウ.仕切りもない開放された空間(音やにおいなどの広がり、まわりとトラブル)エ.周囲の目(当事者の様々な行動で誤解をうみやすい)オ.障がい者のニーズに応えた機器が揃えられない(ベッドなど)などがあげられます。
○ 一方で指定された避難所を離れ、独力で親戚の家や民間のアパートを借りたとしても大きな問題があります。ア.親戚の家にもたくさんの人が避難してきて、段々と住みづらくなってきて、離れていった。イ.民間アパートを借りたものの行政から支援がなく、経済的に追い詰められている。ウ.指定避難所とは違う所に避難しているので、避難所でもらえる物資がもらえない。エ.様々な情報が入ってこない。オ.避難所で整ってきた行政職員の配置や保健師さん・お医者さんの見回りなどの支援がうけられない。カ.指定避難所では、行政関係者などもいて、まわりから声をかけられたりして相談につなげられる場合もあるが、避難所を離れると自分から相談員に働きかけないと、なかなか専門の相談にのってもらえない。などがあります。
○ また、最近では、周囲とのトラブル、環境の劣悪さなどから3次、4次の避難所を転々とする障がい者も何人もいました。そこで共通して言われることは「疲れた」という言葉です。

【避難所の1か月余の暮らしからでてきた様々なニーズ】

●避難所の建物・環境をめぐって
  建物環境で大きな問題のひとつは、他人同士が大きな空間で生活していく中での問題が深刻化しています。建物構造自体は、変えることは困難ですが、つい立で区切っただけでも生活空間のあり方が大きく変わります。
  下肢障害のある人たちからトイレの問題が多くだされます。(トイレに行くまでに階段がある。和式しかないなど)
  個別的な対応の問題で、「ベッドがなく、寝起きが大変」「介護ベッドがほしい」「お風呂にイスがあれば、1人で入れる」「シャワーチェアーがほしい」などと日常生活上の問題への個別対応の必要性が大きくなっていています。
  一方で「持病があるため食事内容で病状が左右される」「糖尿病で退院したばかり。避難所の食生活では、また悪化してしまうかも」と食事内容の問題も時間とともに大きくなってきました。
  生活改善のニーズは、非常に切実なものです。一定期間たちつつある避難所での生活を緊急的に改善が必要なところは、早急に行うべきです。
  震災直後に国は、3月12日時点で「避難所での生活環境の整備…」という文章を厚生労働省は通知(最終ページ参照)しています。しかし、40日たってもなかなか改善されていない問題もあります。

●本人の状態、周囲との関係
  「眠れない」「集団生活でストレスがたまっている」「イライラする」「気持ちが落ち着かない」という声は多く聞かれました。身体障害の方やうつ病の方などからは、ほとんど横になっている状態もあります。特に高齢の方の場合、このまま寝たきりになるのではないかという不安を周囲から寄せられました。
  長くなりつつある避難生活から感染症への不安や健康上の不安などもあがりました。

●日中の場について
  避難生活が1か月を越え、段々毎日の生活のリズムや社会との結びつき、目的をもった活動の必要性が浮かび上がってきています。 「毎日がたいくつ、散歩程度の運動しかない」「作業ができなくて顔色が悪い」「通っていた作業所の仲間のことが心配」「避難所に作業所がなくて困っている」等と働くこと、毎日通う場があること、外で人との関わりが広がる場があることは、切実に求められています。
  さらに障がい児をもつ家族からは、「子どもたちにストレスがたまり、パニックを起こしたりする。日中過ごす場がほしい」「支援学校をどうするか悩んでいる」「放課後支援を受けていたがどうなるか不安」などと通える学校の場、日中の場の確保は急がれます。また、「支援学校にいた介助員3人は解雇になったので、今まで通りにいかない」とこれまで関わってきた先生との関係性がきれたり、支援体制が崩れることへの不安があります。

●福祉サービス・医療について
  避難したり、通っていた病院が被災し、機能を亡くしたことにより、医者の診察や今まで通りの福祉のサービスの継続への不安をもたれています。特に県外移設した場合の不安もあります。病気をもった方、精神障害のある方、難病の方などから「病院に行けない。薬がない。」などを訴えられました。
  「入浴、洗濯にもお金がかかり、先が見えないのが不安」「生活していくのにお金が不安。杖を買うのも実費」「補聴器の買い直しができない」など福祉サービスに関わる範囲での負担の問題も深刻です。

●将来への不安
  「2次避難をするが、その後の見通しをもてない」「先の見通しが見えず、いつまでもこの生活が続くのか知りたい」「いつ避難すればならなくなるのか心配」「これからの住宅が心配」などと震災後の復旧への見通しへの不安がありますが、あわせてその見通しを考えようにも福島では、原発の問題が大きく立ちはだかっています。原発による放射能汚染状況の変化、それに対応した避難の追加や変更、依然根強い風評被害などもからみなかなか見通しをたてていくための出発点に立ちにくい状況が続き、そのことにより将来への不安が膨れ上がってきています。

●情報提供について
  「もっとわかりやすい情報がほしい」という声も多く寄せられました。その内容としては、原発などの状況がどうなっているのかのわかりやすい情報。避難所に移り、1か月余がたった時点での生活上の情報。これまで受けていた各種サービスの継続に関しての情報。新たに避難するにあたってのわかりやすい情報。今後の見通しの情報などなどです。各々の避難所の中で障がい者に配慮した情報提供は必要不可欠です。

●広がりつつある避難所への支援体制の格差
  時間とともに避難所に対する人的支援や物資支援が充実しつつありますが、場所によっては人的支援が整っていない地域もあります。特に、医療的ケアや保健的ケアにおいては、避難所ごとの差が広がっています。特に中心部から離れた所、古い建物などに目立ちます。

まとめ

 今回の調査は、震災が起こって3週間がたった時点で、障がい者の安否確認と今生活で困っていることを把握するために全国の障害関係者・関係団体の力を借り、避難所での障がい者の数とニーズを把握していきました。その中で、物資支援などの急を要するニーズには当センターで応え、生活上の様々な相談は支援センターにつなぎました。また、抜本的改善は行政に要請していく予定です。
 未曽有の大災害となった東日本大震災は、40数日がたち、依然行方不明者の捜索と身元確認が続けられ、被災地では、がれきの山と化した町の復旧・復興には、時間がかかるような状況です。
ここ福島県では、原発問題が重なり、問題が変化することに応じた対策として新たな避難計画も出され、復旧・復興に向けての歩みというより、現在も続いている原発の問題に追われている状況です。
どの場所で復旧・復興していくことが定まりきれない、この現状の中にあっては、今の生活、避難生活を少しでも改善していくことは、大切なことです。
 今回の第一次避難所調査訪問調査は、被災した障がい者のニーズの一部しか反映できていません。多くの障がい者のニーズは、眠り、散らばっています。しかし、今はわかったことからひとつひとつ進んでいく事も非常に大切です。
 今後とも当センターは必要に応じた調査や様々なニーズに応えていく活動、さらにはもっとも困難を抱えている問題、行政への要請活動などを続けていきます。




【参考資料】

事務連絡
平成23年3月12日

宮城県保健福祉部地域福祉総務課長 殿

厚生労働省社会・援護局総務課
災害救助・救援対策室長補佐

避難所の生活環境の整備及び応急仮設住宅の設置等による
避難所の早期解消について(留意事項)

 東北地方太平洋沖地震においては、多数の者が非難して継続的に救助を必要としている ところであり、一日も早く被災者の方々の生活環境を整えることが重要である。
特に高齢者や障害者等の災害時要援護者については十分な配慮が必要である。
 このため、避難所の生活環境の整備及び応急仮設住宅の設置等による避難所の早期 解消について下記のことに留意の上、十分な配慮をお願いしたい。

1.避難所の設置期間の長期化が見込まれる場合は、次の設備や備品等を整備し、 被災者に対するプライバシーの確保、暑さ対策、入浴及び洗濯の機会確保等、生活環境 の改善策を講じること。

(1)畳・マット・カーペット等の整備
(2)間仕切り用のパーティションの設置
(3)冷暖房機器の設置
(4)仮設洗濯場(洗濯機・乾燥機を含む。)・簡易シャワー・仮設風呂等の設置
(5)仮設トイレの設置。高齢者、障害者等の災害時要援護者が使いやすい洋式の仮設 トイレの設置等、必要に応じて行なうこと。

2.炊き出しその他による食品の給与を実施する場合には、長期化に対応して メニューの多様化、適温食の提供、栄養バランスの確保、高齢者や病弱者に対する 配慮等を必要に応じて行なうこと。


●原発事故による指定区域内の基礎データ

区域 自治体 人口 障害者手帳所持者 障害の
ある人
人口比
障害者推計
避難者 避難者の内 社会資源 精神科
病院
全体 損壊
身体 療育 精神 死亡 不明
警戒区域 大熊町 11,574 416 66 27 509 4.40% 11,496 506 1       1 16 8 30 0
双葉町 6,884 354 40 11 405 5.88% 6,884 405 1       1 23 11 58 5
浪江町 20,861 989 182 70 1,241 5.95% 17,793 1,058 3   1 1 0 23 163 0 0
楢葉町 7,679 423 62 20 505 6.58% 7,800 513 2     1 0 10 4 50 0
富岡町 15,959 558 151 25 734 4.60% 15,480 712 3 4 1 3 0 3 8 0 0
南相馬市 70,834 3,412 499 230 4,141 5.85% 5,713 334 10 4 3 2 4 512 962 0 0
川内村 2,819 190 40 11 241 8.55% 2,992 256         0 0 0 0 0
計画的避難区域 飯舘村 6,152 463 70 35 568 9.23% 1,117 103     1   1 1 0 0 0
葛尾村 1,525 100 13 5 118 7.74% 1,497 116         0 4 1 0 0
川俣町 15,513 861 159 87 1,107 7.14% 30 2 3   1   1 0 0 26 7
緊急時避難準備区域 広野町 5,397 160 45 9 214 3.97% 5,000 198         1 2 1 90 0
田村市 40,270 1,910 362 130 2,402 5.96% 2,997 179 6   1   1 1 0 1 0
主な被災地域 いわき市 341,711 16,588 2,053 1,095 19,736 5.78% 2,451 142 32 16 44 6 15 299 82 0 0
相馬市 37,738 1,605 275 171 2,051 5.43% 1,424 77 4 1 1 2 1 404 69 0 0
新地町 8,176 389 55 22 466 5.70% 472 27 1 0 92 24 501 0
593,092 28,418 4,072 1,948 34,438 6.18% 83,146 4,628 66 25 53 15 26 1,390 1,333 756 12

※上記地域分類は指定された面積に拠る
※人口は平成23年2月1日現在
※田村市の精神保健福祉手帳所持者数は、上記他地域の当手帳所持者の人口比平均0.32%から計算。

福島県庁資料4.28現在参照 http://www.pref.fukushima.jp/j/jishin-sokuhou135.xls




福島県 避難所訪問記録

調査月日 避難場所 市町村名 年齢・性別 対応者 状況 ニーズ・困っていること 対応 その他
4/9 1 会津美里町 6歳 男性
脳性麻痺
家族で避難中。
温泉付きで個室で家族で生活。現避難所で3ヶ所目。昨日まで母親が腎臓病で入院。
・次の所で個室が保障されるか。    
4/9 1 会津美里町 30代
精神
本人 ・母と一緒に避難。ここで3ヶ所目の避難所。大部屋で集団生活。 ・母が立てなくなったことが心配(11日に病院受診予定)・娘を病院に連れていきたい。    
4/9 2 会津美里町 女性
精神
受付の人 被災前に親を亡くし精神的に不安定。一日中正座しており、体操等に誘うと笑顔になる。親以外の身内、支援者は不明。保健師が巡回。      
4/9 3 会津美里町 男性   足が悪く歩行困難。3階の教室から降りるのに、同部屋の方から支援をもらっている。 トイレは洋式しか使用できないが、3階のトイレは和式のみなので2階に降りていかなければならない。    
4/9 4 会津美里町 10才 女性
脳性麻痺
役場職員 家族と避難。歩行はできるがよく転ぶので、頭などにコブができている。   明日には家族で芦ノ牧温泉のホテルに移動する予定。  
4/9 5 会津美里町 90歳 男性 役場職員 訪問中、入院先から移動してきた。1人で来られ自立できているとの話だが、介助が必要と思われる 役場職員も多忙で何をどうしていいのかわからない。(避難所の中には入れてもらえなかった。)    
4/9 5 会津美里町   社協職員 介助の必要な方がいる家族が避難している。設備は整っており、用具の不足はない。 職員曰く、今後、精神的なケアが必要になってくるのではないか。    
4/8 6 会津若松市 統合失調症 本人 被災時入院中。持病があるため郡山の病院に転院後、現在の避難所へ。疲れない程度にリハビリをしている。 ・医療費はかからないが、生活してゆくのにお金が大変。杖を買うのも実費。車いすのリースも保証人が欲しいといわれた。
・子どもたち(孫)のストレスを考えると辛い。
   
4/8 6 会津若松市 精神 保健師 本人の希望で4/6に移動。個室対応している。富岡町の作業所に通所していた様子。他の避難所も行ったが、難しかった。     現在、会津若松市の社会福祉課で対応している。
4/8 6 会津若松市 透析 保健師 人工透析8名。南相馬で被災し、家族と別々に避難した方もいるが連絡は取れている。送迎ボラ体勢で週3通院。うち高齢の1名は包括での支援が決定。      
4/8 7 猪苗代町   管理者 約30名が避難している。 男性は仕事に行き、週末帰ってくる。残っている人は共同で食事を作っている。 ・ひざが悪く入浴困難な高齢者がおり、介助イスを借りに行ったが断られた。・家族が認知症で、青年交流の家にいるが、徘徊などがひどく心配している。 関係機関に連絡訪問したが貸し出しはできないと言われた。 なんとか対応できないのだろうか。
4/8 8 猪苗代町     133名が避難している障害者は今朝他へ移動した。 ・入れ替わりが激しく、現状の把握が難しい    
4/11 9 いわき市 70代 女性
精神(うつ)
家族(娘) 津波で家が流され避難。相馬公立病院から薬を処方されている。東京からの医療チームが毎日巡回に来ている。 罹患して10年。最近症状が良くなっていたが、被災して家を失い、再び落ち込む。現在も避難所でほとんど横になっている。    
4/11 10 いわき市 87歳 男性
脳梗塞による右片麻痺
家族(長男) 地震と津波で家もベッドも電動車いすも壊れた。2,3日は消防暑にいたが、その後はこの避難所で生活している。 ・被災してからの1か月間一度しか入浴していない。(バスによる入浴先までの送迎が定期的にあるが、気をつかい行っていない。
・長男は漁業をしていたため現在仕事がなく、この男性の行く先を早めに決めたいと思っている。
  奥様が現在四倉の楽寿荘(老人ホーム)に入所しているので、一緒に楽寿荘に入所させてあげられればと長男さんは考えている。
4/11 11 いわき市     ここに避難していた知的障がいの方が静岡に避難。 避難先に作業所がなく困っている。    
4/15 12 いわき市 40代男性
重度の知的障害
過去に泉保養院に入っていて大変な目にあったので、一生家族が面倒を見ていく。着替えは自分でできない。父親も聴覚障害。家族全員がしんどい。      
4/15 12 いわき市 60~70代 女性
視覚障害で精神疾患もあり
  さびしい。一人では怖い。揺れが起きるたびに不安になる。   傾聴  
4/15 12 いわき市 60~70代 女性
脇腹にヒビが入る怪我
      傾聴  
4/16 13 いわき市 男性 心臓疾患   医師が避難所に診察に来てくれ、薬は足りている。ぐっすり眠れない。仮設住宅の話などまだなく、行政の対応が遅い。      
4/16 14 いわき市 69歳 女性
小児麻痺知的障害
  自宅は震災の為使用困難。歩行困難とコミュニケーション困難があり、自宅家族と離れ、体育館で避難生活。 ラジオが欲しい。   排泄物の処理が困難な様子。
4/16 14 いわき市 71歳 男性
身体障害
精神障害3級
  公立病院が遠くて通えない。足がない。膝が痛む。神経科の薬がない。自宅は住める様子ではない。他科の薬は今日もらえた。 通院のことと、神経科の薬、特に安定剤がもうない。   見守りが必要か。
4/16 14 いわき市 60~70代 女性 両下肢機能の著しい障害 身体障害2級の手帳あり   ようやくカップラーメンやパンやご飯といった食事が摂れるようになった。週に一回医師の診察あり。週一回、医師の診察あり。糖尿病の治療中。自宅は住める状態ではない。 両足が不自由であるので歩行に困難が伴う。集団生活でのストレスで不安感が強い。神経科の薬は足りている。    
4/16 14 いわき市 20代 男性
統合失調症 自閉症
療育手帳2種B級
地震により家屋が全壊し避難生活を余儀なくされている。生活環境が変わったが、今のところ落ち着いている。作業所ミントに通所 病院に通えていない。病院が被災してしまった。
*普段の薬が飲めていない可能性がある。
   
4/17 15 いわき市 70~80代 女性
右半身麻痺
右上肢機能全廃
右下肢機能著しい障害
4/11より避難。自宅は住める状態ではない。車いす生活。せいざん荘の木村さんに大変世話になった。 LLサイズの紙おむつがない。エムズワンのものが良い。お尻拭きと身体拭き、可能であれば介護ベッドがあるとありがたい。    
4/17 16 いわき市 70代 女性
左半身麻痺
(多発性脳こうそく)
介護認定4
左半身麻痺のため寝返り不可。避難所内移動は付添が必要。震災前利用していたデイサービスいきがい村の系列病院のリハビリに週二日通所。服薬はできている。 入浴が全くできていない。週一回、病院リハビリのシャワーを利用できるかもしれない。紙おむつを三重にして使用。あと一週間分くらいある。(パンツ式+夜間用パット+小パット)。オムツを交換してくれる人が居れば、ものすごく助かる。   ・震災前は自力でトイレに行くことができた。
・被災前はデイサービスを利用していたが再開のメドなし。
・被災前に介護をしていたご主人も心臓が悪く、足腰も弱い。避難所ではご主人による介助は困難である。
・ご本人も現介護者の娘も疲労。
4/8 17 大玉村 60代 女性
身体
  5か所目の避難所。
別の避難所で役場の人に健常者も障害者も大変なのは同じだと言われ違和感を感じる。
・先の見通しがみえず、いつまでこの生活が続くのか知りたい。    
4/7 18 小野町 60代 女性
特定疾患(難病)
酸素吸入+ストーマー
夫・義弟が精神
本人 夫は以前入院していた ・特定疾患の手帳を紛失。家族でもいいので、手続きをしてほしいと言われるが、家族も障害があり、難しい。    
4/8 18 小野町 48歳 男性
精神
息子が精神科に通院している ・息子のことが心配。1人でふらっとでかけてしまうことある。    
4/5 19 郡山 ?・女性 本人 本人に障害なし いわき(母方実家)に避難しているパーキンソン病の父が心配 4/6連絡先を聞き、電話をするが不在。本人に電話をするが、そちらも留守電。  
4/5 20 郡山 68歳 女性 本人 富岡町より避難。リューマチ・人工関節で通院必要。時々救急搬送されている。 ・ベットなく、寝起きが大変。
・以前から通院しているいわき市内に住む場所が欲しい
・生活保護申請など福祉相談がしたい
   
4/5 21 郡山 70代・男性
聴覚(2級)
本人 本人は大丈夫と言っているが、周囲の人が心配している。 ・補聴器の補助金もつかず、収入も少なく買えない。    
4/5 22 郡山 60代・女性
左股人工関節
本人 関節が痛い。しばらくは薬もなく、痛みが強かったが、医師が来たため、薬をもらい今は楽 ・次の避難所に行ってほしいと言われるが、今後のことも分からず、もう少しここにいたい。 ・二本松市内に居住希望    
4/5 23 郡山 60代・男性
アルコール依存症
知人女性 避難所にはおらず、自宅にいる。
3年前アルコール依存症と言われた。人づきあい少ない。物置のような建物に住んでいる。通院はしていない。
状況は保健師に話しているが、見に行った様子はない。
・安否確認をしてほしい。 ・4/7郡山市地域保健課渡辺さんへ連絡。保健師が訪問できるよう聞き取りに行ってもらう ・中田町行政センター保健師が訪問予定  
4/5 23 郡山 40代・女性 右下肢不自由 本人 自宅が半壊し、息子・娘と避難 ・避難所内の移動、トイレ等が不便 ・これからの住居についての不安    
4/5 24 郡山 10代・男性 重度重複 家族 いわき市の養護学校通学していたが、自宅が避難してい地区になった ・早く自宅に戻りたい ・集団生活が長期化することで、周囲から心ない言葉をもらうことがある。    
4/6 25 郡山 56歳・女性
脳梗塞・左半身麻痺
本人 自宅が自主避難区域。
夫が3日一度家へ帰っている。
避難所の風呂に椅子があれば危険なく、1人で入れる。男女で時間が分かれているため、家族介助が難しい。
・娘など家族がバラバラで不安
・息子が知的障がい。時々遠くに行ってしまうので心配。
・4/6相談支援宮下さんに報告。今後の対応をお願いする。  
4/6 26 郡山       ・先がみえない
・夜眠れない
  いろんな方がまわっている。事前んに連絡がほしい。一義的に責任を持って対応してくれないのかという話あり。
4/6 26 郡山 30代 男性
知的?
知人 被災するまでは富岡の作業所に通っていた。 ・作業所に通えない
・家に帰りたいが帰れないと話していた。
   
4/6 27 郡山   館長 地元の方の避難が主
当初は中途障害の方もいたが現在は自宅に帰っている。
23歳の男性が精神障害をもっているように感じる。
    プライバシーの問題のため、直接会うことはできなかった。
市の災害対策部は健常者のみの避難所と認識しているため、支援等は一切行っていない。
4/6 28 郡山 36歳・男性
知的障害
本人 上記女性の息子在宅で、父と田畑などの仕事をしていた。
1日なにもすることがない。
歩いて出ていってしまう。30K離れたところで警察に保護された。
・難所での生活は眠れない。
・家に残した犬・猫が心配
・早く家にかえりたい
上記母とともに相談支援に対応をお願いする。  
4/6 29 郡山 38歳・女性
ウェルニケ症候群
本人・夫 昨年10月に発症し、双葉厚生病院に入院中に被災
夫が病院から連れ出し、避難した。
・手帳の申請中だったが途中になっている
・埼玉へ4月転居の予定だが、引き続き福祉サービスが受けられるか
・入院中で、リハビリ訓練中だったので、埼玉で治療の継続ができるのか
・4/6相談支援宮下さんに報告。今後の対応をお願いする。  
4/7 30 郡山 女性
多発性硬化症(難病)
  移動には杖を使用
避難所に医師・保健師が良く来ている。
・移動先で医者の診察が受けられるか、薬をもらえるか心配。    
4/7 31 須賀川市 50代・女性
精神
服薬をしていたが、本人が嫌がったため、やめている。3か月前から調子悪い。
夜眠れず、避難所を夜歩き、戸の開閉がうるさいと苦情。現在は家族で個室にいる。
毎日たいくつ。
散歩程度の運動。
  ・夫は原発関係の仕事をしていた。この先どうなるか心配 ・病院につながっていない
4/7 31 須賀川市 50代・女性
精神
本人 余震が恐く、夜は自宅に帰るが、日中はアリーナに来ている。 ・アリーナにいることを認めてもらっているが、今は避難者ではないため、昼にことにいることに遠慮がある    
4/7 32 須賀川市 女性 リウマチ 本人 原発避難地区。
ベット・車いすをリースして生活している。
・リウマチのためプレトニン服用。抗体低下。
・感染症がこわい
・原発が不安
   
4/9 33 相馬市 16歳
男性
脳性小児麻痺
  浪江町から避難。8日に養護学校に行った。今日は本宮のスケッチブック生きがい介護施設による風呂を利用した。自宅に帰れる保障がない。OTが障がいを持っている人の情報収集や対応を始めている。 障がいを持っている方は家族や周囲が温かく対応しているが、この兄弟(?)はかまってもらえない。家族へのケアも必要。    
4/11 34 相馬市 70代
女性
  杖をついてゆっくり歩いている。 ベッド、シャワーチェアーあればいい。(仕切りのない広い体育館)    
4/12 35 相馬市       ・スタッフ不足。避難所を見守るスタッフが欲しい
・70歳の障害者の入浴介助ができない
   
4/12 36 相馬市       ・いつ避難しなければならなくなるか心配
・ここで生活するのであれば解雇される。
   
4/12 37 相馬市     140名が生活 ・行政がなかなか協力してくれない。    
  37 相馬市 男性
統合失調症
    ・病院に行っていない
・医者の往診もない
ひまわりの家がその場で病院へ連れてゆく  
4/12 38 相馬市       ・作業所を仮設する費用等のためにお金が必要    
4/12 39 相馬市 60代 男性
腰椎カリエス
  生後20年寝たきり、現在は杖歩行。小高地区から避難してきた。3回の移動に次ぐ移動で体調を崩した。今後は飯坂へ行く予定。自衛隊の風呂が何度かきたが、その場所までの歩行が困難なため、地震以来風呂に入っていない。 ・移動するまえに、もっとわかりやすい情報がほしい
・やっと落ち着いたと思う頃にまた移動で混乱する。
  ボランティアさんとの繋がりが強く、次の移動には自動車・犬を飯坂までつれて行ってもらう予定。 ボランティアで対応できない部分で、我々ができる部分はないのかと思う
4/12 39 相馬市 46歳 女性
肢体不自由
(キンジス?)
  川内村から避難。キンジスの疑いがあり、医療機関に受信後地震。理学療法とリハビリを行っている。手帳はまだない。 ・郡山のビックパレットに移動したいが、交通手段がない。
・ビックパレットは同じ村の人が多い。さみしいので早く移動したい。
・かかりつけの理学療法士がビックパレットにいる。
・ビックパレットには確認が取れている
相談支援に連絡対応してもらう。  
4/7 40 田村市 女性
精神
  田村市から家族と一緒に避難。
被災前は作業所に通所
通っていた作業所の仲間のことが心配 調べて報告してあげることはできるか。  
4/9 41 西会津町   家族   ・支援学校をどうするか悩んでいる    
4/9 41 西会津町 女性
知的障害
大熊町では支援学校に通学していた。当初は田村体育館に行ったが慣れず騒いだため親戚を頼ってここへきた。
現在は仕切りや遊ぶ所があり落ち着いている。若松の旅館へ移る事になっている
・大熊町は廃校になった小学校に行く事になるがその支援学校に行くのか、養護学校に行くのか迷っている。
・支援学校にいた介助員3人は解雇になったので今まで通りにならない。また、放課後支援も受けていたがどうなるのか不安。
   
4/8 42 二本松     浪江・富岡・双葉からの避難者が多い。ホテルや旅館への二次避難が始まっているが、子ども、介護が必要な高齢者が優先でまだ何も知らされてないひともいる。 建物は階段が多い。個室になっている。 ・糖尿で退院したばかり。避難所の食生活ではまた悪化してしまうかも。 ・農家の方:当分はと言われるが、当分が長い。あきらめとくやしい気持ちが半々。 ・2次避難をするが、その後の見通しもたたない。   ・以前にいた城山第2体育館に脳性まひ?酸素吸入している人がいた。 ・ここ数日で、かなりの人が2次避難を始めている。猪苗代へ行く方は、そこも7月までと言われている。そのあとは仮設住宅ともい言われているが不確か。
4/8 43 二本松 40代・女性
事故の後遺症
てんかん?
身体3級
本人・家族 家の損傷がひどく戻ることはできない。
稲作・家事手伝いをして過ごしてきた。
避難時に薬手帳を持参したため、二本松佐久間医院にで薬をもらうことができた。
・地元に戻れないと何をしてゆけばよいかわからない。
・地元に戻り、仮設住宅からでも稲作を始めたい。
・障害のことを受付の職員にも伝えているが、体育館を歩きまわったりすることで、周囲から白い目で見られる。
  本人と話をしたが、会話がつながらず、ゴミ箱をいじったり時間の過ごし方を見つけられずにいる。コミュニケーション面での配慮が必要と感じる。
4/8 43 二本松 県職員受付で対応   浪江町の方が多い。介護が必要なかたから2次避難を始めており、足の悪い人は昨日移動した。随時その他の人も移動していく予定。     同じ町内の人であるが、つながりがないのか障害者の存在を分かっていても気まずそうにしている人もいる。
4/8 44 二本松       ・旅館に移動が始まっているが、情報が入らなくなるのではと不安。
・持病があるため食事内容で病状が左右される。お世話になっているので、これ以上のお願いはできずにいる。(血圧・糖上昇)
・入浴・洗濯にもお金がかかり、先が見えないのが不安
4/12 45 南相馬市 7才 男児 高機能自閉 5才 女児 アスペルガー   家族4人自宅で生活している。収入が無くなり、貯蓄を切り崩して生活している。食料事情も苦しくなってきたので、避難所にもらいに行くが支給できないとのこと。社会福祉課の貸付を利用したらと言われたが、返済のあてがないのに借りることはできない。 ・食料がなくなりそう
・子どもたちもストレスがたまり、パニックを起こすこともある。日中過ごす場がほしい
・他にも同じ境遇の人がいる。
えんどう豆が対応。物資を届ける予定。  
4/12 46 南相馬市     ポータブルトイレこの避難所ではできないため、ぴーなっつで入浴している。 ・介助者も休みがない    
  47 南相馬市 精神   保健所と連携している。 ひばりが丘に通院していたが薬がもう切れる。公立相馬病院のほうで受診する      
4/7 48 三春町     ・衛生状態が悪い
・駐車場の車内で生活してる人がいる。(よく眠れない)
     
4/7 49 三春町 富岡町の通所・入所の利用者 ワークセンターさくら施設長 避難先を転々としてきた。 ・作業ができなく顔色が悪い。 ・近所の作業所から声かけがあり、軽い運動をしている。    
4/8 50   90代 女性
足が不自由
本人・娘 被災前は杖で歩行。1人暮らしをしていたが、被災後車いすを使用。娘が一緒にいる。 ・娘 このまま寝たきりにならないか心配
・本人 早く家に戻りたい
   

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